音楽を「楽しむ」ことを思い出させてくれたミン・ユンギ

BTS SUGAの初ソロライブ、「SUGA | Agust D TOUR 'D-DAY' in JAPAN」初日に奇跡的に当選したのでレポ。

 

▼ライブに行くまで

BTSにハマったとき、私はジミン推しだった。

しなやかなダンス、特徴的なボーカルが好きで追っていたけれど、コンテンツを見ていくうちにメンバー全員好きになった。

そのうちSoundCloudで個々が出しているソロ曲なども聴くようになり、そこで出会ってしまったのがAgustD(SUGAのソロ名義)。

ラップをいままであまり聴いてこなかったけれど、エネルギッシュで攻撃的な歌詞・曲調・特徴的な声(最近気づいたけど特徴的な声に弱い)にハマってしまった。

MVを観たり、インタビューを読んだりしたら、とにかく曲のコンセプトが強いし「音楽」が好きすぎるしプロデューサーもやってるってもう仕事人としても尊敬で、沼に落ちるのが早かった。職人気質に弱い。

 

SoundCloudでミックステープはいくつか出していたものの、ソロ名義では初アルバムとなる「D-DAY」。

※ミックステープの説明はこれがしっくり↓

https://www.udiscovermusic.jp/columns/what-is-difference-between-album-and-mixtape-via-drake

ミックステープは2016年の「Agust D」、2020年の「D-2」の2作あって、2016年の「Agust D」は超攻撃的でめちゃめちゃ口が悪いラップとハードめな曲調が多かったなか、「D-2」はミドルテンポな曲も増えて何となく「相手を攻撃するよりも自分のなかの平穏を育てよう」という過去作を少し昇華させているイメージを持っていた。そこからの「D-DAY」はさらに昇華させてきて、キャリアの変遷もあって"「Agust D」というソロ名義と「SUGA」というグループでの個を同化させていく"をコンセプトにしていた。

要は、元々グループで発信できなかったような過去の自分や悩みについての曲などを出すためにつくったAgust Dという名義ではあるけれど、根本はグループの個であるSUGAと一緒であることを認めていこう。過去の自分もすべて認めて、新たに一歩踏み出そう、ということだと勝手に解釈しているけれど本当~にかっこいい。

 

この明確なコンセプトがよくわかるタイトル曲2曲とツアービジュアルがこちら。

 

▼タイトル曲「Haegeum」(解禁)

youtu.be

※1人2役を演じる演技力もすごすぎて、会社の先輩に「彼に反社会的勢力の役とか映画で無いんですかね??」と聞いてしまうほど。

 

タイトルの「Haeguem」は「解禁」という意味と、韓国の伝統的な弦楽器の「奚琴」という意味があり、「自由」をテーマにした曲で「奚琴」も使われている。

マジカッケー。

 

▼もうひとつのタイトル曲「AMYGDALA」

自傷行為の描写があるので年齢制限あり

www.youtube.com

Amygdalaというのは脳にある扁桃体のことで、感情の記憶を司る器官。

「トラウマと向き合う」というテーマで作られている曲。

歌詞も曲調もMVも私はこの曲がいっっっっちばん好き!

 

▼D-DAYツアービジュアル

natalie.mu

 

▼D-DAYツアーファイナルビジュアル

weverseshop.io

※まだ間に合うよ!という意味でツアーファイナルオンラインライブ(6/25)のチケット販売画面

 

ツアービジュアル、SUGAの左右で二重と一重だったりと印象が違うことを活かした二面性を感じられるビジュアルになっていて、AgustDは前述のとおり「グループ活動で出せない個」(攻撃的キャラ)、SUGAは「アイドルとしての個」なので、それをうまく表現しているビジュアル。コントラストが強く、反対色のような色味で分けられているのもポイント。

 

それがツアーの最後(オーラス)となるソウル公演のビジュアルは、コントラストがすごく弱くなっているんですよね……。一体化してフェーズ2に行くんですよ、ほんとコンセプト強すぎて……。

 

アルバム「D-DAY」にすっかり魅せられ毎日聴きこんでいたところ、日本公演が当選したときには手が震えた。

(アルバムの魅力を伝えすぎて&BTSをプレゼンしすぎて、母といとこがこのタイミングでファンクラブに加入してくれたこと、本当に嬉しかった~~)

 

しかもチケット発券したところ、VIP席(グレードが高いチケット)以外でかなりの良席で今年のチケット運は使い切った所存。

 

▼ライブ前に準備したこと

●有休&仕事調整。これに尽きる。

当選したのが日本公演初日の6月2日(金)で、大体仕事は金曜でいろいろ調整するので過去の経験と実績からチケット当選したときから部内には正直に共有。

「16時くらいからその日いっぱい連絡はつかないと思ってほしい、何なら終日冷静に判断できないので急ぎ以外は連絡しないでほしい」と正直に共有。

(仕事柄、土日祝日休日も急ぎ連絡がある場合があるので)

 

●ライブのならわしを覚える

何せ初ライブ。郷に入っては郷に従え。SNSで調べたところ、とりあえずペンライトを持っていけば何とかなることを知るけれど「一緒に歌え」の強要がすごいことを知る。

すでに海外で何公演かした後の日本公演だったから尚更で、「海外ファンの盛り上がりはこんなん、だからみんなで歌おう」みたいに動画が回ってくるので、呼びかけが巻き起こるSNS社会スゲ~となった。っていうかライブで歌いたいと思うのはその場のノリだし、目的は「楽しむ」なので歌うのは手段のひとつに過ぎないのでは…?そんなにその部分強制力つけていくもの…?とモヤモヤする。

 

▼ライブ当日

仕事の調整をして迎えた6月2日(金)。台風。しかも会場のみなとみらい付近は海側なのでバリバリ暴風雨。なぜ。

電車が遅れることも考慮して、余裕をもって公演1時間前には現地着(有休なのでもちろん一杯ひっかけてから)。

現地、暴風雨すぎ。もうどうでも良いよ!!!!というずぶ濡れ状態で会場イン。

 

ひとりで参戦&初めての会場だったのでうろうろしていたけれど、会場のぴあアリーナMMは場内にも飲食物を持ち込めるという神空間でアルコールもOK。

売店ハイボールを買ってウキウキと場内に入って席を探したら、やっぱりかなり良席で目線の高さで肉眼でステージが鮮明に見える、最高…。

 

▼ライブの感想

最高によかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

人生で興奮したライブ1-2位を争うくらいだった…。

(争ったのは学生時代に聴きすぎてヤバかった北欧メタルSonata Arcticaの来日ライブ)

ステージ演出やVCR(ライブ合間に流れる映像)もコンセプトにびたっとハマっているライブ、初めて観た。プロデュース力がさすがすぎる。

煽りもラップも歌も楽器(本人が弾いたピアノ&ギター)もバンドも、全部かっこいい。

タイトル曲の「Haeguem」や「Daechiwata」「Burn it」のブチアゲ感、「People Pt.2」「People」「Life Goes On」「Snooze」のミドルテンポ感、「Cypher PT.3 Killer」「Cypher4」のBTSラップライン曲と、緩急のある構成もとにかく素晴らしかった。「AMYGDALA」は聴きこみすぎていたのもあって、めちゃめちゃ泣けた。サビの歌詞と、ラップではなくてボーカルをすごくやりこんだ感が相まってすっっっごく良かった。

 

ペンライトがあればOKと思っていた前知識、完全に間違いで、ペンライトときたま本当に邪魔すぎる。制御されて統一感が出る光は出るけれど、いやこっちはいま大盛り上がりなのにペンライト振ってる場合じゃないんだけど??みたいなことが多くて、拳を上げてノリノリで踊りたいよ~!という感じだった。

ただ、ベースが「アイドル」なのでみんな本人が見たい気持ちが強いわけで、その気持ちもわかるので何となく腕を上げたりが気軽にできなかったな…。

 

あと「歌ってほしい」の圧力はファンより本人からの圧が強かったけど、たしかにラップ中心の曲でボーカル部分はフィーチャリングなことが多かったので、その一部を歌ってほしい!はなるほどと思った。

 

とにかく全編かなり盛り上がる&キャパ&音響ならではの構成で、超たのし~~!!!!!と思えて、タイトル通り音楽を楽しむことを思い出させてくれたライブだった。前述の「歌ってほしい」圧も、コロナ禍でライブがなかったことを踏まえると、いま歌ってみたらめっちゃアガるじゃん!みたいな気持ちにもなった。なんだかこの「ライブが楽しい」「生の音楽を聴いていてアガる」という気持ちが久々すぎて泣けてしまった。

 

あまりに楽しくて拳を上げたかったので、ユンギはフェスに出てほしい所存。

※ミン・ユンギはSUGAの本名です

 

今回、掛け声や歌はたしかにすごくあるんだな!ということはわかったけれどそれ以外はペンライト振って噛みしめる的なところが空気的にあって、たしかにバンドのライブとかフェスに幾度か行ってた身としても、この感じだともっと盛り上がりは作れたとアーティストも思うだろうなと感じた。巻き返せない終盤で「こっちの人の盛り上がり方を参考にしてな!」の煽り、明らかに会場が盛り下がっていたのを見て「これが初日だー!」という気分になった。アーティストも大変だよね…。

「この歌詞全然ファンたち歌えてなかったよね」とか「BTSのライブのときは掛け声とペンラ統一感がよかったのに」という声もSNSで見かけて、ファンダムが大きいということはファン層も多様すぎてバラけるものだな~と思った。

ユンギはラッパーでプロデュースも多々しているので、ファン層も結構音楽ファンが多いのかなと思っていたけど、日本はそういうことでもなかったので海外公演にも行ってみたくなった。

 

とはいえ、しばらくこの楽しかったライブの記憶で生活していけるなと思ったし、これからもユンギが作る音楽は全部聴いていきたいなと思った。

(Halseyとのコラボ曲もめっちゃかっこよかった)

youtu.be

 

▼最後に「D-DAY」以外の好きなユンギ

Cypher PT.2:Triptych

youtu.be

↑この部分からのユンギの高速ラップが好きすぎて本格的にハマったきっかけ

↓ライブでやるとこう

youtu.be

 

「Daechiwata」

youtu.be

ロックだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(これも1人2役が上手すぎる、韓国の伝統楽器を使ってる)

 

これからも全力で応援します…!オーラスソウルコンもとっても楽しみです。