大傑作だと思う「怪物」

1月1日からアマプラで配信が始まった「怪物」を観終わった。

 

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とても素晴らしかった……。

 

▼あらすじ

エリート警察官のジュウォン(ヨ・ジング)は片田舎のマニャン派出所勤務を命じられる。パートナーを組むことになったのはドンシク(シン・ハギュン)。実はドンシクは20年前に妹を連続殺人事件で失い、その容疑者となった過去があった。そんな中マニャンで20年前と同じような猟奇殺人事件が発生。事件の捜査を始めるジュウォンだったが、かつての事件の資料が消えていたり、警察庁次長の父から捜査しないよう命じられる。町ぐるみで何かを隠しているのではと感じたジュウォン。実はジュウォンがマニャンにやってきたのはある理由があった。そして一方のドンシクも胸の内に秘密を抱えていた。ジュウォンとドンシクはお互いに疑いの目を向けながら共に事件を捜査することに。

 

20年前の連続殺人事件をめぐるサスペンスドラマ。

「犯人は誰か」についての展開や心理戦がめまぐるしくて予想を裏切られるのは、もちろんのことであるけれど、演技派と呼ばれている主演ふたりの圧倒的すぎるキャラクター表現が本当に素晴らしい。

 

昨年からハマってきた韓国ドラマ、すべて本当に面白いしキャストも皆素敵だしと思っていたけど、特に脚本がすごい!という印象が強かった。

今回は脚本ももちろんではあるけれど、主演ふたりのすごさが群を抜いているように感じた。「その年、私たちは」でも思ったけれど「演技」とは…?むしろ演じているキャラクターが実在している感が強い。

 

それが感じられたのが、7話、9話、13話以降全部。

 

 

1話~6話までいろいろ起こるけれど、心理戦がメインで重々しい展開がずっと続くので1話進むのにやや体力を使いながら観進めていた。

が、7話がとにかくすごい。

 

5話くらいからシン・ハギュンは目の血管を何本か切ってるのでは?というくらいガンガン目を充血させた表情をめちゃめちゃ出してくる。ピーク7話。この目の充血、本当に尋常ではないレベルなので毎度本当に怖い。笑顔も怖いし、何を考えているかわからない振る舞いも怖い。引き込まれているので"ドンシク"という人間を観ている、という気分でいるなか、ふと冷静になって「でもこれを演技でやってるんだよね…」と思うと、この人はどうやって生きているんだろう…という俳優シン・ハギュンへの興味がかなり沸いた瞬間でもあった。

 

9話と13話以降は、ヨ・ジング演じるジュウォンの感情表現に大感動。

13話以降は、感情移入して泣くというよりも(あまりの展開と表現力がすごすぎて)興奮して泣いていたほうが強い。"ドンシク"と同じく"ジュウォン"という人間を観ていて、ドンシクと対峙したことで変化した部分が、時に大胆にでも繊細に表情や振る舞いに「現れていく」ところがすごくよかった。「見せている」感が無い。

 

シン・ハギュンと同じく、ヨ・ジングどうやって生きているんだ……という強い興味が沸いた。しかもまだ24歳……。末恐ろしい子すぎる……。

人生で、俳優自身の過去作品も含め全部観たい!と追いかけたことは、「SHERLOCK」で大感動したベネディクト・カンバーバッチただ一人。当時はラジオドラマや日本未発売の映画作品などもAmazonUKを活用して取り寄せたりもした。

そうまでもしたくなるくらいの大感動をヨ・ジングには感じている(気がする)。

 

 

そしてラストシーンのドンシク、後世に語り継ぎたい。

 

「感動」とかいうレベルではなく、感情入り乱れ大洪水って感じ。

サスペンス・ミステリーの部分はもちろん作品としてそうではあるけれど、主演ふたりの名演と脚本と演出でドキュメンタリーと言ってもおかしくないくらい。

 

重厚で骨太な16話だったので、次に何を観ようかとひたすら悩んでいるけれど、ヨ・ジング熱が熱いうちに「王になった男」は観ておこうと思う。イ・ビョンホンが演じた映画のドラマ版。王様と道化師の1人2役。設定はあるあるだけど予告編だけでちょっともう好き……ヨ・ジングの2役演じ分け超観たいよ…という気持ち。ちなみに当時21歳らしい。

 

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IUと共演した「ホテルデルーナ」も、ダイジェストを観ておもしろそう。

 

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「怪物」の余韻がまだあるので楽しみつつ、いろんな作品も観ていきたいなあと思う。